カナダのポップシンガー、ジョアン・ブルーインが初めてジャズに挑戦した一枚。
経歴は良くわかりませんが、カナダでは有名なシンガーでポップ畑で活動しているシンガーだそうです。カナダの音楽賞も受賞している実力派です。
このアルバムを聴く気になったのははっきり言って付き合ってるメンバーです。ほとんど知識のない場合はメンバーで聴いてみる。これって大事で当たりの時は結構嬉しいものです。
今回は当たりでした。ジョン・ヒックス以下のリズム・セクションとボビー・ワトソンで聴いてみたのですが、軽さリクゼーションが心地よいです。それと大事な声の質も僕にピッタリでした。
ジャケットはちょっとえぐいけど(笑)レパートリーもヴァラエティにとんで聴きやすいヴォーカルアルバムです。いわゆるジャズ・ヴォーカリストといわれるシンガー達の肩肘張った歌ではなくポップシンガー特有のさらりとした魅力があります。
まず1曲目の「ANGEL EYES」出だしでまいったです。酸いも甘いもわかった熟女の歌です。思い入れたっぷりに歌うのではなくサラッとでもレイジーな雰囲気をちゃんと感じさせてくれます。ボビー・ワトソンの泣きのアルトがまたこの曲を盛り上げています。グッドトラックです。
2「DESPERATELY」は知らない曲ですが、8ビートで色っぽいです。最後DESPERATELYと繰り返すところなどカッコイイです。
3「AGUA DE BEBER」は有名なジョビンの曲、セルメンでヒットしました。僕この曲大好きでセルメンのレコードを今でも時折聴いてます。ジョアン・ブルーインはスキャットを絡めてイカス仕上がりになっています。
4「EVERYTHING MUST CHANGE」は70年代のヒット曲、こういったポップチューンはさすがに自家薬籠中のものです。フェードアウトも雰囲気を盛り上げています。
5「THE DRY CLEANER FROM DES MOINES」はジョニ・ミッチェルがミンガスと録音したアルバムで有名な曲。ブラスセッションにのってモダンな歌声を聴かせてくれる。
6「THE ISLAND」はイヴァン・リンスの曲。再び8ビートを使って哀愁のある仕上がりになっている。
7「WHEN I LOOK IN YOUR EYES」最近ではダイアナ・クラールの名唱があったがここではジョン・ヒックスのピアノだけをバックにしみじみとした歌を聴かせてくれる。アイリーン・クラールの「WHERE IS LOVE」というアルバムを思い出してしまった。
8「LULLABY OF BIRDLAND」もちろんご存じの曲。アレンジがうまい。ポップシンガーらしいノリがいい。アレンジはボビー・ワトソンだ。
9「MY FUNNY VALENTINE」いうことないスタンダード。マイルスをおもわせるミュートをバックに都会的な歌だ。こののばし方から以前ロックを歌っていたのではと思う。トランペットもなかなかだ。
10「AIR MAIL SPECIAL」副題にエラに捧ぐとあるようにエラ・フィッツジェラルドに敬意をこめた歌だ。途中エラの物まねが入るところなどご愛敬。しかしちょっと全体のバランスから浮いた印象を持った。
11「YOU DON'T KNOW WHAT LOVE IS」恋の味をご存じないのね、この曲はプレーヤーをインスパイヤするのか名演が多い。ジャッキー・マクリーンのような泣きのアルトが絡みこの悲しいバラードを盛り上げる。まるで二人の会話のように聞こえる。
12「GOODBYE PORK PIE HOT」は再びジョニ・ミッチェルの曲。この難しい曲をモダンにスイングさせている。エンディングにふさわしい歌だ。
ポップシンガーのジャズアルバムを僕は好きでたまに聴く。リラックスしたゴージャスな雰囲気になれるからだ。彼女歌も軽いフェイクが気持ちよい。声も僕好みだがもう少ししっとりした味わいが加わればホントにベスト。それでも実力派シンガーにかわりはない。
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