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実はフィル・ウッズという人が良くわからない。テクニックからいったら全アルト奏者のなかでもトップの存在。ただ上手すぎて時々うるさく感じる時もある。70年代から80年代の演奏が概してそうだ。切れの良さ楽器の鳴りの良さはずっと変わらない。でも何故か上手いんだけど、う〜んという存在なのだ。しかしフィル・ウッズの50年代はチャーリー・パーカーへの思いとは別 に、彼のアルト奏者としてのすぐれた資質を開花させた素晴らしい作品が多い。
フィル・ウッズがパーカーから絶大な影響を受けているのはプレイを聴けば良くわかる。しかしウッズのプレイはそれだけではなく青春の輝きに似た美しく明るいトーン、メロディアスで最後をちょっとしゃくり上げるような独特なフレージング。いわばウッズ節が彼の魅力だろう。ヨーロッパに渡ってからはよりフリーでメタリックな音色となっていった。それが素晴らしいと評価する方もいる。しかし僕は初期の暖かなトーンをより愛する。特に中音域の素晴らしさは格別 だ。
このアルバムは「WARM WOODS/EPIC」(機会があったらこれも是非聴いてください)と並ぶフィル・ウッズの50年代を代表する傑作だ。ワンホーンで録音されたので、フィル・ウッズの魅力を余すところなく聴くことができる。
中音域の美しさ、独特の音色、ウッズ節、それとエモーショナルで躍動感にあふれるプレイが心地よい。確かに黒人プレーヤーに比べると多少軽さを感じるときもあるが、フィル・ウッズはそれを補ってあまりあるよどみのないフレージングがある。滑らかに次々と飛び出すメロディラインは魅力的だ。
さてこのアルバムは1・6がフィル・ウッズのオリジナル。残りがスタンダードという構成。
アップテンポの曲では途切れることなくメロディが次から次へと紡ぎ出される。また一音一音がクリヤーでそれでいて暖かさを感じる。スローボートなどその好例だ。5でのパーカーばりの熱気溢れるソロは特筆したい。またバラードでは美しい中音域を使いながら瑞々しいソロをとる。
ジャケットを含めて初期フィル・ウッズの傑作だ。
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