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このアルバムはコルトレーンの中でもテナーサックスによるトリオ演奏が聴かれる珍しい作品です。テナートリオといえばソニー・ロリンズ「WAY OUT WEST」が有名です。1957年3月にロリンズのアルバムは吹き込まれていますがコルトレーンがそれを聴いていたか定かではありません。しかしソロの追求と言うことになればコード楽器であるピアノがない方がより自由なソロを展開できる、そう両者が考えてもおかしくないと思います。
プレスティッジ時代のコルトレーンの作品の中で比較的地味な一枚です。僕もこのアルバムはオリジナル盤を集めだした頃初めて聴きました。オリジナル盤ではアール・メイのベースがぶるんと呻ってそこにばかり耳がいったのを覚えています。
実際このトリオによる演奏はこのアルバムのハイライトだと思ってます。この録音の残り「SLOWTRANE」は7378に収録されています。ただロリンズがこの編成を追求したのとは別 にコルトレーンはこの1回だけの録音で終わっている。ロリンズの究極の目的は自己のアドリブという一点にあったとすればこのフォーマットがロリンズに与えた自由は大きかった。
しかしコルトレーンはシーツ・オブ・サウンドを完成させる途中のプラックティスの一環としてこのフォーマットで録音したのだろうと僕は想像する。これ以降テナートリオでの吹き込みがないのもそうしたことだろうと思う。
1「LIKE SOMEONE IN LOVE」はコルトレーンのバラードプレイの典型が聴かれる。原メロディをストレートに吹きながら次第にフェイクしていくやり方だ。しかし常に原メロディが聞こえている。ピアノがない分だけそうした手法が際だっている。コルトレーンのバラードは厳しさの中にある優しさがたまらなく素敵だ。
2「I LOVE YOU」コール・ポーターの有名なスタンダード。モダン・ジャズメンもしばしば取り上げている曲だ。ここではラテンタッチなイントロの後コルトレーンがソロをとる。コルトレーンのソロはぐいぐいと畳みかけるように音を連ねていく。シーツ・オブ・サウンドの萌芽がここで見られる。
3「TRANE'S SLO BLUES」コルトレーンのオリジナル。彼のオリジナルとしては珍しい正調ブルース。アーシーな演奏だ。アール・メイのベースも快調だ。
4「LUSH LIFE」このアルバムで一番長い演奏。コルトレーンのバラード・プレイの典型がここでも聴かれる。全体的に緊張感のある甘さを廃したプレイだ。レッド・がーランドのバッキングが美しい。またレッド・がーランドのソロも緊張感が漂う素晴らしいソロだ。ドナルド・バードも渋いペットを聴かせてくれる。
5「I HEAR A RHAPSODY」おなじみのナンバーをレッド・がーランドのトリオをバックに安定感のある演奏を展開する。
57年〜58年におこなわれた様々なセッションを寄せ集めたアルバムだがモンクとの共演を前に飛躍する寸前のコルトレーンをとらえたプレイは一聴の価値がある。
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