個性派アルト、アーニー・ヘンリーのワンホーンアルバム!
アーニー・ヘンリーは以前紹介したモンク「BRILLIANT CORNERS」でのプレイで注目を浴びその1年後に死んでしまう。リーダーアルバムを含めてもそのプレイが聴けるアルバムはリバーサイドに6枚のみだ。30才になってやっと表舞台に登場したとたんの死、独自の世界を描きはじめただけに実に残念だ。
僕もアーニー・ヘンリーに触れたのはモンクのアルバムであった。あのアルバムでの暴力的と言いたいほどのプレイに驚いた。ジャッキー・マクリーンの哀愁のある音と違った一種の孤独感を漂わせる暗い響き、淡々とした語り口と独特のフレージング。またどのアルト奏者よりより人の声に近いトーン。またしゃくり上げるような奏法。キャノンボール・アダレイやソニー・スティットなどの抜けの良さはないが、ダーティーなトーンから繰り出すソロの存在感みたいなものは素晴らしい。
一聴、ぎくしゃくとしたフレージングに嫌悪感を覚えるかもしれない。音はきれいとは言い難いし、方言を思わせるしゃくり上げるフレージングなどマイナス要素はたくさんある。でもそこが魅力で僕は彼にはまってしまった。プロデューサーのオリン・キープニュースもその一人で、1年間に6枚ものアルバムに彼を起用したことでも伺われる。
3枚あるリーダーアルバムのうちこのアルバムが唯一のワンホーン。しかも7曲のスタンダードとブルースという構成がアーニー・ヘンリーの魅力を一番伝えていると思う。彼の手癖も一杯出てくるし僕もリーダーアルバムの中ではこれが好きです。
1曲目でアルトのソロが出てきたとたん多分みなさんおやっと首を捻るだろう。僕もそうでした。(笑)だってなんか違うんですね。ミストーンも随分あるし、アルトサックスに描いているイメージとは別 の音が出てきます。浪花節的な音とでも形容したら怒られるかもしれませんがのどの奥から絞り出すような唸りがあります。それでもその裏にある情感溢れるソロは素晴らしいです。スムーズでないぶんだけ心に引っかかるそんな感じを僕は受けました。
曲は有名なスタンダードが7曲とアーニー・ヘンリーのオリジナル・ブルース1曲です。付き合っているウイントン・ケリーのピアノも好調だ。
実質的にはわずか1年で駆け抜けてしまったアーニー・ヘンリー。残された彼のアルバムは貴重な財産だ。他のアルバムもぜひ聴いてもらいたい。
購入サイトへ |