思索するミュージシャン、ハル・マクシックの実力を再認識する1枚!
ハル・マクシックは50年代後半に何枚かのリーダーアルバムを残してジャズ界から引退、スタジオミュージシャンとなってしまった。しかし彼が残した数少ないリーダーアルバムをこよなく愛するアナログ・ファンも多い。僕もその一人だ。
線の細いどちらかというと繊細なプレイが彼の真骨頂で、スモールコンボでのプレイが魅力的だ。時に室内楽的と形容される。様々なセッションで貴重なサイドメンとしての一面 も持ち合わせたマルチプレーヤー。リー・コニッツ的なアルト奏者だ。
さてこのアルバムだが、ハル・マクシックはその線の細さからワンホーンが最適だと思うが、パートナーにトロンボーンを選んだのは正解だった。トランペットではきつくなるがトロンボーンの柔らかい音が彼のアルトとマッチしている。またクラリネットが独特の音色で本当にジャズの室内楽といった趣だ。またこのCDはアナログ時代に分散されていた分をまとめた点でもオススメだ。
マクシックは実験的な作品もあるが、ここではプレーヤーとしての彼を存分に堪能できる。またポール・チェンバースの粘っこいベースが異質なようでこのグループに独特の印象を与えている。それとエディ・コスタの打楽器的ピアノも見逃せない。
1の出だしがモダンだ。ポール・チェンバースのベースに絡むアンサンブルが格好いい。面 白いのはハードバップには決してならないのである。マキュージックのソロがポール・デスモンドを彷彿とさせる。
3のバラード、こういった演奏を聴くとマクシックはやはりアルトの人だなと思ってしまう。
4ディジー・ガレスピーのコン・アルマだが、実にスマートなプレイだ。多分アレンジはマクシック自身によるものだろう。ビリー・バイヤースのトロンボーンが好調。
5でマクシックはテナーを吹くが、アル・コーン的なタッチ。当時しばしば共演していた関係だろうか?
6のブルース、エディ・コスタ独特のピアノがこの曲の雰囲気を盛り上げる。
7もマクシックのオリジナル。このような愛らしいメロディにマキュージックのクラリネットがピッタリくる。
9の「I'm Glad There Is You」最後にこの曲でこのアルバムを聴いてくれてありがとうとマキュージックがお礼をいっているようなプレイだ。
マクシックは派手なプレイでない、しかし白くそれも控えめにスイングしていく。実験作からスイングしないミュージシャンのように思われ勝ちだが決してそうではないことをこのアルバムで証明している。
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