ヴァイブといえばどうしてもミルト・ジャクソンとなりますが、ミルトをK追う一番手と見なされたレム・ウインチェスターの代表作がこの「ANOTHER OPUS」です。
彼は1958年のニューポート・ジャズ祭で認められてメジャー・デビューするのですが、1960年本格的にプロ転向するまで警察官として二足のわらじを履いていました。
1960年にミュージシャン一本やりとなった直後の1961年にルシアン・ルーレットで出演中のクラブで死亡、33歳でその活動を閉じることとなりました。
ミルト・ジャクソンの影響を受けながらもその殻を破るべく奮闘し、その光が見え始めたばかりのレム・ウインチェスターの早すぎる死は惜しまれるものです。
さてこのアルバムですが題名からもわかる通りミルト・ジャクソンのヒット作「オパス・デ・ジャズ」に対抗して作られたアルバムです。
レム・ウインチェスターの意気込みがわかります。
メンバーもドラムのガス・ジョンソンをのぞきミルトのアルバムと同じです。編成まで同じであのアルバムを相当意識していたのでしょう。
ただ違うのはフランク・ウエスが全編フルートを吹いていることです。ミルトのアルバムではテナーも吹いていました。
フランク・ウエスのフルートは独特の味わいと結構モダンな響きを持っています。ただテナーはやはり中間派といったおもむきで、モダン派のメンバーとやると少しコーニーに聞こえます。
このアルバムの成功の要因の一つにフランク・ウエスがテナーを吹かなかったというのが挙げられると思います。
レム・ウインチェスターはミルト・ジャクソンほどバイブレーションを使わず少々堅いソロを取ります。
その良い例がバラードの4です。ミルト・ジャクソンのバイブレーションを多用したバラードはバイブによるバラード・プレイの教科書ですが、レムは極力バイブレーションをおさえて音を羅列していきます。それがモダンに響いてきます。ただソロの構成などはまだミルトの影響を受けていますが。
スインギーなナンバーでのレム・ウインチェスターの畳み掛けてくるようなソロは気持ちいいですね。さらっとした感覚のソロです。
1・2・5がレム・ウインチェスターのオリジナルです。
1は軽快なジャンプナンバーです。オープニングにふさわしい演奏です。レムのソロはクリーンにヒットしていきます。
2は一転してスロー・ブルースです。ここでのレムのコードを叩くプレイが新鮮です。ミルトでは聴かれないコードの叩き方です。
5もジャンプナンバーです。フランク・ウエスのソロの後のレムのソロが軽快です。フォー・バース・チェンジを交えてにぎやかにエンディングです。
なおCDではボーナス・トラックがついています。
忘れてはならいのがやはりいぶし銀のバイ・プレーヤー、ハンク・ジョーンズです。
彼の好きサポートがこのアルバムを盛り上げています。また短いソロも彼ならではのジェントルなものになっています。
ほてった体をクールダウン!!ヴァイブとフルートの爽やかな一時をお楽しみください。
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