アンリ・ルノーがアメリカのミュージシャンを起用して吹き込んだアルバム。僕が長年探し求めたもので、アル・コーンのベストプレイが聴けるピリオド盤!
実はこのアルバム、僕がジャズを聴き始めた頃リリースされた。コロンビアのジャズ・ヒストリカル・シリーズだった。この中ではロリンズとサド・ジョーンズが目玉 で僕もその2枚は買ったものの他のものはパスしてしまった。まあ初心者が買えるようなアルバムとは思えなかったです。
僕がこのアルバムの存在に気づいたのは随分たってからで、スイング・ジャーナルのバックナンバーを丹念に読み返していてこのアルバムに目が留まった。3枚シリーズでメンバーが実に興味深かった。どんな音がするんだろうと頭でイメージを思い描いていた。地元の中古盤屋にはもちろんこんなアルバム無かった。東京へ出張したときなどユニオンを中心にエサ箱を漁ってみたもののついにお目にかからなかった。
今から10年ほど前何を思ったかオーディオをグレードアップした。それも全部50〜60年代の機器、しかもオリジナル盤の世界に足を踏み入れてしまったのだ。それまでしこしこ集めていた国内盤を処分したりしてオリジナル盤を買っていた。やはりオリジナル盤の持つ魅力は計り知れない、ちょっと悪女的ですね。
当然オークションにも手を出すようになり欧米からリストを取り寄せてはビットしていた。あるリストにこのレコードがそれも3枚とも載っているではないか。僕は一晩考えて翌日アメリカにファックスした。
それだけにこの3枚は僕のコレクションの中でも思い出深いものだ。届いた包みの中からそくこのアルバムを取り出して聴いてみた。僕はその少し前からアル・コーンに肩入れをしていたので「Out Of Nowhere」のアル・コーンのゴリっとしたテナーが出てきたとき思わず「やったあ」とつぶやいてしまった。
アル・コーンはもちろんズート・シムスとのコンビで知られている。しかしズートの陰に隠れて日本では過小評価されたミュージシャンだ。ズートに比べてアル・コーンの方が音が太い。ソロだってそんなにすてたもんではない。ただアル・コーンは作編曲家としての一面 もあり損をしている。彼のリーダーアルバムはカウント・ベイシーに代表されるカンサス・シティ・ジャズをモダン化したようなくつろぎとスイング感に充ちたものが多い。
このアルバムでもアル・コーンのソロイストとして力量 の高さを認識できる。アル・コーンの代表作ドーン盤「コーン・オン・ザ・サキソフォン」と肩を並べるプレイだと僕は密かに思っている。
1997年にレコード部門を新設して本とジャズの2本立て営業を始めてから、あれほど捜していたこのアルバムの国内盤が2回も当店に入荷した。僕はこのレコードをわかって欲しかった。でもいつまでたっても誰もこのレコードをレジに持ってこない。寂しい思いだった。
ある時意を決してこの棚に手を伸ばしている常連さんにこのレコードの良さを力説してみた。「とにかくアル・コーンを聴け」と。それでもいぶかっているので実際に試聴してもらった。アル・コーンのソロが出たとたん頬がニンマリとして3枚とも買っていただいた。残りのワンセットもそうやって買っていただいた。
その後このシリーズが入荷しなかった。それが昨年OJCから再発された。僕はファンタジーに大拍手した。こんなレアな音源をよく復刻してくれた。ありがとう。
さてこのアルバムはアンリ・ルノーがプロデュースした色んなセッションを収めてある。当然アンリ・ルノーの考えるベスト・ジャズなのでこれはちょっとと思える演奏もある。しかしアル・コーンのソロとデューク・ジョーダンのトリオゆえに敢えて推薦します。僕に騙されてください。と書きながら少々不安なKOBAです。なおこのアルバムの中からミルト・ジャクソンのセットはフランス・ヴォーグでリリースされました。
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