トロンボーンのカーティス・フラー、ピアノのハンプトン・ホースに2本のフレンチ・ホルンが加わる異色作!
1957年カーティス・フラーがニューヨークデビューと同時プレスティッジに立て続けに何枚かのアルバムを録音している。この当時のカーティス・フラーの勢いはとどまるところを知らないかのようだ。
プレスティッジのオーナー、ボブ・ワインストックも彼のことを高く買っていたために色んな形で売り出しを計ったのだろう。
J・J・ジョンソン一色のトロンボーンにあってカーティス・フラーの出現はそれまでにない温かいトーンと良く歌うソロが新鮮印象をもたらしたのだとおもう。また彼のソロがハード・バップと一体化して60年代前半までの快進撃を生んだ。
このアルバムは実質的なデビューとなったプレスティッジ盤「NEW TROMBONE」の一週間後に吹き込まれている。構成やメンバーの編成からテディ・チャールズがプロデューサー的な役割を果 たしたのだろう。
トロンボーン、フレンチ・ホルン、アルト・サックスにリズムセクションという異色の編成だ。かなり凝ったアレンジが施されている。ハード・バップの香りはあるものの知的な響きのあるアルバムだ。
ファンの耳目はカーティス・フラーとハンプトン・ホースの共演に集まるだろう。僕もそれが目当て手でこのアルバムをディグした。
フレンチ・ホルン陣もジュリアス・ワトキンス、デヴィッド・アムラムといった実力者を配し、各々にソロのスペースを割り当てている。単なるアンサンブル要員ではない。そこがこのセッションの成功したところだろう。
しかしこのセッションの本当の魅力、それはマルチリード奏者サヒブ・シハブの最高のアルト・プレイを聴くことが出来る点だ。
サヒブ・シハブはアルト、バリトン、フルートをこなすマルチ奏者。それだけに印象が薄くなってしまった。フルートを吹いた「ジャズ・パーティ」は素晴らしい演奏だが彼のアルト・サックスがこんなにも素晴らしいとは知らなかった。
カーティス・フラーやハンプトン・ホースが共演をさしおいて僕の耳はサヒブ・シハブのアルト・ソロにむかってしまう。知的で抑制の利いたソロは素晴らしい。このアルバムからしばらくサヒブ・シハブあさりをしてオークションにも手を出した。
カーティス・フラーはもちろん絶好調で彼のソロも味わいがある。ハンプトン・ホースはいくらか抑えめだがソロでは時々ちょっと突っかかるような彼独特のソロがでて微笑ましい。しかしこの二人を共演させるなら他のメンバーはいらなかった。ちょっと焦点がぼけてしまう。特にサヒブ・シハブが他をくってしまった。
だから僕にサヒブ・シハブの実力を教えてくれたのがこのアルバムだ。それだけにこのアルバムはマニア向きというべきだろう。万人にはオススメしない。
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