アドリブの天才ソニー・ロリンズが残した生涯の最高傑作「サキソフォン・コロッサス」通 称サキコロです。
1955年マイルスがニュークインテットを結成するに当たって当初コルトレーンでなくロリンズを予定していたことは有名な話である。結局ロリンズのシカゴへの雲隠れ(54年秋〜55年秋)によって実現しなかった。1957年にも一時的にマイルスと共演するのであるが、マイルスとロリンズのコンビはついに永続しなかったのである。
1955年11月、ブラウン=ローチクインテットに参加してカムバック。同年12月「WORK TIME」をプレスティッジに録音。これを契機にして1956年大傑作サキコロへと向かっていくのである。
1956〜58年はロリンズの絶頂期で数々の名作を吹き込んでいる。コンテンポラリー「WAY OUT WEST」ブルー・ノート「NIGHT AT VILLAGE VANGUARD」などである。
ところが1959年秋突然ジャズ界から引退。コルトレーンの台頭と自身のアドリブの行き詰まりが原因とされている。この時ウイリアムバーグ橋の上でサックスの練習をしていたというエピソードが生まれる。
1962年RCAに「THE BRIDGE」を吹き込んでカムバック。1963年にはオーネット・コールマン的なアドリブにアプローチ。ファンの驚きを買う。その後インパルスで人気作「アルフィー」等を吹き込む。
1969年9月から1972年3月まで3度目の引退。1972年にマイルストーンから6年ぶりの吹き込み「THE NEXT ALBUM」でカムバック。その後ニューヨークの近代美術館でテナーソロによるコンサートをおこうなど旺盛な活動で現在に至る。その間度々来日、今年も来日する予定だ。
ソニー・ロリンズはその生涯ほとんどビッグバンドでの経験がないという希有なプレーヤーである。同年代のプレーヤーが多かれ少なかれその最初期はビッグバンドから出発していることを思うと不思議である。また彼の傑作と言われるものはすべてレコーディングセッションで、レギュラーグループによる吹き込みはないのである。マイルスやコルトレーンと違った彼の特徴だ。
結局ソニー・ロリンズが目指していたものは自己のアドリブへの極限までの挑戦、テナーサックスによる究極の表現といったものであったろう。それがテナートリオという大胆な編成による吹き込みや全編テナーソロによるコンサートへと発展していったのだろうと思う。
そういった意味で度重なる引退劇がインプロビゼーションの行き詰まりという形で引き起こされたのもけだし当然であった。ただ「サキソフォン・コロッサス」という前人未踏の世界に突入した傑作が有形無形の形でロリンズの前に立ちはだかったといのうのはある意味においてロリンズの悲劇であったかも知れない。
さてこのアルバムだが「St.Thomas」「Moritat」というヒットチューンを持つ人気盤としてまたハードバップの教科書的な作品として幾度となく再発さ、れまた数々の評論家によって語り尽くされた感がある。僕も多言は要さない。一言「LISTEN!!」ただそれだけである。
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