ケニー・バレルとジョン・コルトレーン、二人のコラボレーションが美しい名盤です。
ハードバップを代表するギタリスト、ケニー・バレル。彼のブルージーなプレイを愛するファンは多い。70年以降は比較的地味な活動だが趣味の良いプレイでミューズやマイルストーンからアルバムをリリースしている。
ウエス・モンゴメリーのような決め技をもつギタリストではないが、彼のブルース感覚あふれるプレイを好きだ。とは言ってもウエス・モンゴメリーの持つブルース感覚とは違ったスマートなブルース感が何とも言えない。
ケニー・バレルはデトロイト出身のプレーヤーだがこのころのデトロイトはジャズの中心だったのかと思わせるほど素晴らしいプレーヤが目白押しだ。そういえばケニー・バレルがリーダーになった「JAZZMEN DETROIT」というサヴォイのアルバムもあった。ここで共演しているトミー・フラナガン、ポール・チェンバースもデトロイト出身だ。
このアルバムが録音された1958年といえばケニー・バレルは押しも押されぬジャズギターの第一人者として認知されつつあり、かたやコルトレーンはモンクとの共演を経てマイルスのバンドに復帰。シーツ・オブ・サウンドの完成目指してばく進中だった。
ケニー・バレルとコルトレーンはプレスティッジ・オールスターセッションで度々共演している。それらはあくまでもブローイング・セッションということでこのアルバムが本当の共演と言えよう。
構成は1・5がトミー・フラナガンのオリジナル。2・4がスタンダード。3がケニー・バレルのオリジナルで全体を通して典型的なハードバップセッションだ。
この中で4は二人のデュエットでプレイされる。この緊張感のある美しさは筆舌に尽くしがたい。いつまでも記憶に留めておくべきトラックだろう。3分という短さを感じさせない。コルトレーンは彼のバラードプレイの典型を見せてくれる。メロディをあまり崩さずストレートに演奏する。ケニー・バレルも暖かいトーンでそれに続く。実に美しい。
最後の5はトミー・フラナガンがポール・チェンバースに捧げた曲だがコルトレーンのシーツ・オブ・サウンドを彷彿とさせるプレイがうれしい。その後に続くケニー・バレルもお得意のフレーズをちりばめながらブルーなソロを展開。ポール・チェンバースも張り切ってソロを取っている。
またこのアルバムを締めているのは名盤の陰にトミフラありといわれたトミー・フラナガンのピアノだ。彼の要所をしめたバッキングと淡麗なソロワークが素晴らしい。この3人は同じプレスティッジ「CATS」でも共演していてそちらも素晴らしい演奏だ。AGATAでもレコメンドの一枚として取り上げたので興味のある方は是非聴いてください。「THE CATS」へ
このアルバムはコルトレーンの緊張感とケニー・バレルの暖かさがマッチした名盤だと思う。実は僕が最初に買ったケニー・バレルのアルバムでもあり、ことさら印象に残る一枚です。
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