ナット・アダレイのヒットアルバム。ファンキーを代表するアルバムです。
なんと言っても兄キャノンボール・アダレイとのクインテットでの活動が有名なナット・アダレイ。兄の陰に隠れて地味な存在だがマイルスやクラーク・テリーなどの影響を感じさせつつもファンキーな要素を持った優れたプレーヤーだった。
自己のアルバムはリバーサイドに集中しているが初期エマーシー時代の演奏も捨てがたい。初期のプレイから完成されたスタイルで吹いていた。またコルネットに特化して演奏した点でも注目される。
兄と組んだ59年からのクインテットは文字通 り当時のトップコンボとして君臨した。時にオーバーファンクとの蔑称も浴びたがジャズの底辺を広げた意味において功績大だ。
「マーシー・マーシー・マーシー」はちょっと眉を傾げたくなるが「IN SANFRANCISCO」などの適度にファンキーな演奏はいまでも新鮮な味わいがある。またコルネットの少しかすれたトーンがこのグループによくあった。
このアルバムはキャノンボール・アダレイのヒット作「THEMDIRTY BLUES」の2ヶ月前に録音されたナット・アダレイのリーダー・アルバム。
ヒットチューン「WORK SONG」の初演アルバムだ。曲自体は「THEM DIRTY BLUES」でのプレイが有名だがチェロを加えたこちらの演奏もおもしろい味わいがある。
構成はウエス・モンゴメリーを加えたトリオからセクステットまだと変化に富んで知る。ただしホーン楽器がナット・アダレイ一人ということでワン・ホーンアルバムということができる。
スタンダード4曲、彼らのオリジナル5曲。スタンダードでの可憐なプレイとオリジナルでのファンキーなプレイとの対象がおもしろい。
1「WORK SONG」ジャズオリジナルの中で最もヒットしたものの一つ。オスカー・ブラウン・ジュニアが歌詞をつけたものも有名。ゴスペルに根ざしたファンキー・フィーリング溢れる曲だ。サム・ジョーンズのチェロがGROOVYな味わいを出している。ボビー・ティモンズのピアノはこのような場合は最適だ。コンピングでメンバーを鼓舞していく。
2「PRETTY MEMORY」ボビー・ティモンズのオリジナル。彼の特徴がよくでたオリジナルだ。哀愁のあるメロディ・ラインは日本人好みか。アレンジがおもしろい。
3「I'VE GOT A CRUSH ON YOU」ウエス・モンゴメリーとのトリオで演奏される。ナット・アダレイの美しいバラード・プレイ。メロディをストレートに吹き上げる。ハスキーなトーンがこの曲調にマッチしている。ウエス・モンゴメリーの場キングもまた美しい。
4「MEAN TO ME」ドラムが入ったカルテット。マイルスばりのミュートプレイが聴かれる。ソロにはいるとガレスピー的な味も。ウエス・モンゴメリーのソロが好調だ。
5「FALLOUT」一転してナット・アダレイのオリジナルはハード・バピッシュな雰囲気の曲だ。ボビー・ティモンズのピアノがスインギーなソロを見せてくれる。
6「SACK OF WOE」キャノンボール・アダレイのオリジナル。「THEM DIRTY BLUES」でも演奏されていたので当時キャノンボール・アダレイ・クインテットで演奏されいたのだろう。「マーシー・マーシー・マーシー」に通 じるファンクな曲だ。
7「MY HEART STOOD STILL」ギター・チェロ・ベースのドラムスというおもしろい編成。サム・ジョーンズの黒子的な存在のキーター・ベッツが珍しくチェロでソロをとる。おもしろいスイング感を感じる演奏だ。
8「VIOLETS FOR YOUR FURS」再びトリオによるバラード。僕の好きなバラードで、フランク・シナトラの歌が印象に残ってます。ウエス・モンゴメリーのピックを使わないプレイがこの曲調によくあっている。オクターブ奏法も花を添える。
9「SCRAMBLED EGGS」最後はサム・ジョーンズのオリジナル。サム・ジョーンズの粘るチェロをフューチャーしている。
1曲あたりの演奏時間が若干短い。曲数を減らしてもう少し密度の濃いアルバムになったらと惜しまれる。しかしキャノンボール・アダレイの陰に隠れてはいたが実力派のホーン奏者ナット・アダレイを再認識するには好適なアルバムです。
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