ファンキー・ピアノの第一人者、ボビー・ティモンズの傑作ライブ!
「モーニン」をはじめとして「ディス・ヒア」 「ダット・デア」などのヒット・チューンの作曲者として有名なボビー・ティモンズ。3連音符を使ったファンキーな演奏が当時大人気を博した。しかし現在となっては作曲家としてファンの記憶にとどまっている。
僕もやはりサンジェルマンの演奏でボビー・ティモンズを初めて聴いた。興奮してくると同一フレーズ連打する彼のプレイに僕も思わず乗せられてしまった。ベニー・ゴルソンの編曲と相まってファンキーの頂点のライブだった。
彼のプレイの魅力はアーシーなフィーリングと教会音楽やゴスペルのを強く感じさせる黒人の伝統に根ざした表現だ。ただソウルフルではあるがバラードなどに見せるリリカルな面 も持ち合わせている。メッセンジャーズでの興奮醸成型のプレイも魅力だが前述のサンジェルマンにおける「ウイスパー・ノット」などでのリリカルな味わいもよかった。頭ではなくカラダで理解する音楽だ。
そんな彼だがやはりファンキージャズの終焉と共にファンの脳裏から忘れ去られていった。またプレイ自体もマンネリとなり晩年はかなりコマーシャルなアルバムもつくった。38才という若さで無くなったのも惜しまれる。フュージョンの台頭と共に彼ももう一度スポットがあったかもしれなかった。
さてこのアルバムはメッセンジャーズを退団して自己のトリオで活動をはじめた時のライブアルバム。場所は有名な「ヴィレッジ・ヴァンガード」。
いきなりメインディッシュの「枯葉」からスタート。こんな真っ黒の「枯葉」聴いたことがありません。ソウルナンバーみたいです。興奮してくると彼お得意のブロックコードの連打。掟破りの「枯葉」です。
続いて「SO TIRED」ボビー・ティモンズのオリジナル。もう完全なファンキー・ナンバー。ゴスペルタッチの曲調です。ボビー・ティモンズの曲ってなんとなく哀愁があるんですよね。
3曲目はベニー・グッドマンで有名な「グッドバイ」ピアノソロで演奏される。レイ・ブライアントに通 じるブルースに根ざしたバラードプレイは素晴らしい。
4はこのトリオのテーマ。
5「THEY DIN'T BELIEBE ME」スタンダード。コロコロとよく転がるソロだ。こういったミディアムファーストのテンポの曲はティモンズに良く合う。小粋なプレイだ。
6「DAT DERE」ティモンズの有名なオリジナル。「THIS HERE」と対をなす一曲。キャノンボール・イン・サンフランシスコや自己のアルバムで度々演奏されている。印象的なメロディ。ロン・カーターのベースがカッコイイ。
7「POPSY」これもティモンズのオリジナル。なんとなくレイ・ブラウン風のベースによるイントロ。これもゴスペル風なテーマの曲だ。ベースが実にうまくアーシーな雰囲気を醸し出している。
8「I DID'T KNOW WHAT TAIME IT WAS」意表をついた出だしからテーマに入る。ブルース・フィーリングあふれるスタンダード。途中からテンポを速めてティモンズのピアノがよく弾む。
9「朝日のごとくさわやかに」様々なピアノトリオによる名演のあるナンバー。ティモンズはベース・フューチャーナンバーとしている。ちょっともったいない。正々堂々と挑戦して欲しかった。
10トリオのテーマでこの楽しいライブも終演となる。
最近あまり耳にしないボビー・ティモンズだがファンキー・テイストにあふれたプレイはやっぱりジャズの醍醐味だ。
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