サテン・ドールというレーベルから発売されたオラフ・ポルチエンのアルバムです。
「アメリカン・ソングブック」と題されたこのアルバム、もちろんアメリカの作曲家たちの曲ばかり集めたものですが、結構渋い選曲ですね。日本企画の安易な選曲とは一味違います。
VOL.2ということで当然1集もあるわけですが、2集を取り上げたのはやっぱハリー・アレンの参加です。(1集はオラフ・ポルチエンのピアノ・トリオです)一時エリック・アレキザンダーと人気を二分していたハリー・アレンですが、いつの間にかその名をあまり聞かなくなっていました。
NAGEL HEYERでデビューした当時のハリー・アレンはその太い音色と無類にスイングするスタイルで注目を浴びました。70年代後半デビューしたスコット・ハミルトンを彷彿とさせるスタイルでした。ただ音色はハミルトンより太いと僕は思います。
どちらかというと中間派的なスタイルでスイングに近いものがあります。ズート・シムスやアル・コーンの系統のテナーマンでしょう。僕もNAGEL HEYERの諸作で彼のテナーが好きになりました。ただ人気が高まったところで日本企画の甘いアルバムを何枚かリリース、それがかえって彼にとっては良くなかったような気がします。
このアルバムは2002年に録音されたものです。リーダーはピアニストのオラフ・ポルチエンです。ただこのピアニストのことは全然知りませんでした。しかしこのピアニスト上手いですね。アンドレ・プレヴィンを思い出してしまいました。低音の使い方に特色があります。飽きさせないツボをもったピアニストですね。
ハリー・アレンですがほんとに気持ち良さそうにゆったりとスイングしてます。テンポの速い曲でも余裕のあるソロです。泰然自若ですか。特に1・4・5・7・10・13といったミディアム・バウンスの曲でのゆったりとしたスイング感は聴いていて気持ち良くなります。体が自然と左右にゆれてくる、そんな感じです。僕的には4・7がベスト・トラックです。
バラードの上手いハリー・アレンですが2・12のバラードもムードいっぱいです。特に「MOONLIGHT IN VERMONT」のゾゾゾにはまいってしまいました。ロマンティックなソロです。
ハリー・アレンにとってオラフ・ポルチエンというスタイルのピアニストは最高の組み合わせですね。お互いの気持ちが良くなるフレーズやタイミングがツー・カーでわかっているそんな演奏です。バピッシュなスタイルのピアニストだとハリー・アレンのゆったり感がでないのではないでしょうか。
何枚もアルバムを聴いていると「これはいいぞ」というのが最初の1曲目の出だしでわかることがあります。このアルバムも「LOVE ME OR LEAVE ME」のイントロで予感がありました。聴き進むうちにボリュームの目盛がだんだんと上がっていきました。最後の1曲が終わったときリピートしていました。
ほんとうに楽しいジャズです。にっこりと微笑むそんな演奏です。ベテランのジャズファンだけでなく、ジャズを聴き始めた方に「ジャズって楽しいよ」というのを感じてもらいたいそんなアルバムです。
ぜひお聴きください。
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