澤野工房のピアノ・トリオに駄作なし。「僕の聴きたい物をリリースしていきたい」という澤野さんのポリシーが貫かれた一枚だ。たしかにエヴァンス系なんだろうけど、エキミアンの絡みつくような右手のメロディラインとまさにエヴァンス風の左手のバランスがおもしろい。エヴァンスよりもっと攻撃的なソロだ。こう書くとなんか情緒のない演奏に受け取られそうだが、硬派のエヴァンスとでも形容した方が解りやすいかもしれない。7曲目の「ニカス・ドリーム」なんてこのトリオに合わないと思われたがうまく料理している。しかし圧巻はやはり2曲目の「Inner Swing」。演奏が進むにつれてテンションが高まってこちらまで引きずられてしまう。ぴしっとしまった名盤だ。
CD ¥2500  |