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澤野さんから突然電話が来た。ちょうど支払い期日なので支払いが遅れたのかとちょっと心配になった。ところが開口一番「小林さん、ミラバッシの新譜でました。いかがですか?」「ただ、トランペットとトロンボーンのトリオですが」
僕は思わず耳を疑って「えー」だってこういったアルバムでよかったためしがないのだから。
僕の気持ちを察したように「確かに、でも内容は僕が保証します」でした。その言葉に胸をなで下ろして「ではお願いします」ということでミラバッシの新譜がやってきました。
それでも一抹の不安がありました。トレイにのせていざプレイボタンをプッシュ。
いきなり少しフリーっぽいテーマが流れて・・・「うん?」という感じでしたが。そのすぐ後から紛れもないミラバッシのサウンドが流れてきました。
ミラバッシ4枚目のアルバムは初めてのホーンとの共演ということで今までになく「色彩」を感じさせる演奏となっています。どことなく映画のワンシーンを見ているような錯覚に捕われます。
しかもヨーロッパを強く意識させる、ヌーベルバーグの映画を見ている感じがしました。
そういえば最近衛星で「死刑台のエレベーター」を見たばかりでした。あのマイルスのプレイとは本質的に違いますがミラバッシの演奏も多分に映像的です。それがホーンの参加によりより強くなった感があります。また二人のホーン奏者とのコラボレーションも素晴らしいです。
このアルバムはジャズという範疇に押しとどめておくのは無理ではないか。そんな気持ちにさせられました。ちょうど姪がイタリアから帰省していて彼女に聴かせたら「これジャズ?」って言ってました。思わず「そうだよ」といったもののそんなこと関係ないなという気分です。
ただこの演奏は4ビートをこよなく愛するハードバップファンにはちょっとつらいものがあるかもしれません。ヨーロッパのジャズを聴かれてきた方ならすぐに頷いてもらえる演奏だと思います。
このアルバム聴いていてチャーリー・ヘイデンのECM盤「THE BALLAD OF FALLEN」を思い出してしまいました。あの物悲しいテーマがミラバッシとダブったのかもしれません。
最後にちょっとだけ不満を。曲目の中に今までの再演がかなりあることです。できるなら全曲あたらしい曲にして欲しかった。次回に期待します。
CD ¥2500  |